ともにつくり、学ぶ。
先人の知恵と努力を振り返り、いまに繋げる。
「森ものがたり」は、喜多方の魅力的な森林資源に新しい価値を付加し、対外的に情報発信するとともに、地域に埋もれた森林文化の歴史や森林資源を「見える化」して有効活用を図ることを目的とした地域資源の再発見と有効活用プログラムです。
今年度は、国内外で活躍するアーティスト3名を喜多方に迎えて、地域住民との交流や伝統産業の技術を継承する職人からのリサーチ等を通して、アート(アーティスト)を介したこれまでと違った視点から、伝統産業や森林資源へアプローチすることにより、それらの中に創造性に満ち溢れた新しい活力を見出し、喜多方ならではの「ヒトづくり」「モノづくり」「コトづくり」を行います。
参加作家
山本あまよかしむ

『くさの王国2015』
今年のテーマは「草の履物」
ゴムや皮の靴がなかった時代、多くの人々は藁でできた「草鞋」や「アシナカ」を履いていました。
草で作られた履物は土や草の地面となじみ、擦り切れたら土に還すこともできます。
しかし、このような生活工芸品を伝承する若い世代が少なくなっているのが実情です。
地域に住む「長い間作っていないけれど、やればできる」方々と語らいながら、若い世代に伝承を図る企画です。
『くさの王国』とは
〝草〟を国家元首とする専制君主国家の総称。
房総半島の「みちくさ王国」を拠点に全国に友好国を建国中。
2013年福島県喜多方市山都町に「やまとくさの王国」が建国された。
- 元首
- 草
- 草憲法
- 国民は、国家の首長たる〝草〟に絶対服従しなければならない。
一、「土から生まれ、土に還る」ものづくりを国是とする
一、流通通貨は〝藁〟貨幣単位は〝把、束〟とする
一、国民は皆、草の履物を履くべし(2015年制定)
イベント情報
交流企画『あしなかおじさんの会』
かかとのない、短い藁の履物で、足の半分程度しかないため「足半」と呼ばれます。
簡単に作れる履物であるため、農村部ではつい数十年前くらいまで使われていたそうです。「自分で作って履いた」という記憶のある人たちの話を聞きながら、その作り方や当時の生活を考えてみましょう。
- 開催日
- 平成27年9月9日(水)、10日(木)
- 時間
- 10:00~17:00
- 会場
- 山都公民館1階ロビー
- 内容
- 1日目 『あしなかおじさん特訓講座』
初心者にもわかりやすい一番簡単なあしなかを作ります。
2日目 『あしなかおじさん研究会』
民俗資料館所蔵資料や職人さんが作った“あしなか”を参考に、地域でどんなものが作られてきたかを考えます。 - 参加料
- 無料(可能であれば、片手でもてるくらいのもち藁の束を2束)
作品展示『くさの王国2015』
- 会期
- 平成27年10月31日(土)、11月1日(日)
- 時間
- 9:00~16:00(1日は15:00まで)
- 会場
- 山都体育館
- 内容
- 今年度制作した“あしなか”の展示 外
※やまとまち文化祭に併せて展示。
その他
今年度制作した“あしなか”に触れる機会を作るため、今年度制作された“あしなか”を教育現場(山都保育所又は山都小学校、耶麻農業高校などを候補)へ寄贈し、授業等において活用してもらう。
プロフィール
東京都生まれ。植物を使った立体造形作家。
自分の体を使って、手を動かして物を作ること、自然に働きかけることを体験する活動を広げている。
主な発表歴
- 我孫子国際野外美術展(2009)
- 会津・漆の芸術祭(2011)
- 「土から生まれ、土に還る、小さな藁の容れもの」(2013)
- 喜多方・夢・アートプロジェクト(2013、2014)など
原 忠信

プロフィール
ソーシャルデザイナー。筑波大学准教授。
1993年 筑波大学芸術専門学群卒業。
1997年 Rhode Island School of Design, MFA修了。
Apple、PIXER、Coca-Cola社等のブランド構築プロジェクトに携わる。
現在の研究テーマは地域ブランド構築の方法論。
宮原 克人

プロフィール
長野県生まれ。筑波大学准教授、漆芸作家。
堅実な漆の技術による漆器の他、公共スペースでの作品にも取り組む。
会津・漆の芸術祭では第1回・第3回に参加。
その場の魅力を引き出し空間と作品が融合するインスタレーションが高い評価を得た。第3回では個人作品の他に勤務する筑波大学生と喜多方の食をテーマにイベントを開催。
主な発表歴
- 会津・漆の芸術祭(2010年、2012年)他
- 個展、パブリックアート設置等多数