近年、喜多方では「漆の芸術祭」(2010-2012)や「喜多方・夢・アートプロジェクト」(2013-2016)といった、アーティストや学生がアートを通してまちの人々と交わりながら喜多方の新たな魅力や視点を発見する試みが実践されてきました。「喜多方美術倶楽部」に始まる芸術に寛容な喜多方の土壌は今に受け継がれ、現代のアーティストを受け入れています。
 喜多方の文化に触れながら活動を続けてきた二人のアーティスト久松知子氏と滝沢達史氏を招聘し、これからの喜多方において芸術・文化が秘めている可能性を探ります。

喜多方美術倶楽部と大正浪漫展 Ⅲ 詳細 

久松知子「Return 喜多方美術倶楽部の絵」

《喜多方美術倶楽部の絵》(2014)展示風景


喜多⽅を訪れ、郷⼟の美術史や⽂化に取材した滞在制作を⾏ってきた若⼿作家の久松知子。今回は「漫画絵巻」に描かれた当時の画家たちの会津での旅に着⽬したリサーチをもとに新作の構想を練り、その成果を展示します。

日時 2018年11月3日(土)10時〜16時、4日(日)10時〜20時
場所 大和川酒蔵北方風土館天空回廊(喜多方市寺町4761)
観覧料 無料
展示内容 [1]《会津ストリートビュー feat. 森田恒友》
*《喜多方美術倶楽部の絵》(2014)より
*本作で久松が着目した森田恒友の作品《日本風景版画第2集 会津之部》(1917年)を、喜多方市美術館で展示いたします。
[2] リサーチの成果報告、作品、ドローイングなど
紹介 久松知子(アーティスト)
1991年三重県生まれ。山形県在住。画家。現在、東北芸術工科大学大学院博士課程在学中。「喜多方・夢・アートプロジェクト2013/アート暮らし」、「新・北方美術倶楽部~喜多方で学ぶ北の魅力~」に参加した他、チュートリアル「東北画は可能か?」としても喜多方で展覧会を開催(2015)。2015年第7回絹谷幸二賞奨励賞、第18回岡本太郎現代芸術賞岡本敏子賞受賞。2018年大原美術館によるアーティストのレジデンスプログラム「ARKO2018」に招聘される。

滝沢達史「Return カマクラ図工室 山と海」

展覧会「 はみだし部品 山と海 」(2014)制作風景


2014年、喜多方を皮切りに始まった“子どもが主体的に関わる旅”が今もカマクラ図工室で続けられています。これまでの歩みを振り返りながら、美術から広がる学びへの問いを投げかける展覧会とシンポジウムを開催します。

日時 2018年9月22日(土)~ 11月4日(日)9時〜17時
場所 蔵の里 イベント蔵(喜多方市押切二丁目109)
観覧料 一般・大学生400(350)円、小・中・高生200(150)円
※美術館観覧券のご提示で( )の料金にてご入場できます。
展示内容 [1]作品展示/教育基本法改定案/滝沢達史
作品制作から解放を生んだカマクラ図工室は、その活動が脚光を浴びたことから、皮肉にも作品制作が新たな重荷となってしまいました。そこで現在は子どもたちに作品制作を強いない姿勢を取っています。今回は滝沢が近年制作した作品を展示し、教育に関わる問題を取り上げます。教育基本法はその名が示す通り、教育の基本となる法律が定められています。誰もが関わる教育ですが、その法律を改めて垣間見る機会は少ないかもしれません。その文言は美しくもありますが、現状を振り返ったときには、あまりにも遠い幻想のように見えます。滝沢はその中から個人の幸福だけに焦点を当て、高すぎる理想を削除することで、教育の本質について問いを投げかけます。
[2] 来場者の参加/教育をめぐる対話
来場者は用意された机に座り、質問用紙に答えることができます。「学校は変わるべき・少し変わるべき・変わらなくて良い・以上の理由」質問票は会場に貼られ、教育の問題について問い直す機会を与えます。
[3] カマクラ図工室 これまでの歩み /映像15分
カマクラ図工室とは何か?その歩みの種子は10年前に遡ります。これまでの活動をわかりやすく紹介する映像を公開します。
紹介 滝沢達史(アーティスト)
多摩美術大学油画専攻卒業。東京都特別支援学校にて知的障害児への美術教育に従事した後、越後妻有トリエンナーレなど国内の芸術祭に参加。ひきこもり・不登校の子どもたちとの活動(アーツ前橋)や、子どもの主体性に任せた表現活動(カマクラ図工室)などにも取り組んでいる。2018年4月に岡山県倉敷市真備町に子どもの学び場「ホハル」を開設。「喜多方・夢・アートプロジェクト2013/森ものがたり」では飯豊山登山を基にした映像作品「seou」を制作した。

シンポジウム/教育とは何ですか?

教育の良いところ、悪いところ、そもそも教育って何だろう?子どもから教育者まで、幅広い意見が交換できる場を期待します。

日時 2018年9月23日(日)13時〜15時
場所 蔵の里 イベント蔵(喜多方市押切二丁目109)
入場料 無料
内容 1部 講演「はみ出し部品~カマクラ図工室」13:00~14:00
 登壇:髙松智行(カマクラ図工室主宰)、滝沢達史(アーティスト)、他
2部 座談会「教育とは何ですか?」 14:10~15:00
 登壇:髙松智行、滝沢達史、星久美子(子どもの居場所「れんが」副代表)、金澤文利(美術教師)

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