開催日: 2017年10月7日 - 2017年11月5日カテゴリー:

北城貴子は、京都市立芸術大学在学中より個展やグループ展で精力的に作品を発表、VOCA展への参加や2006年大原美術館によるレジデンスプログラム「ARKO (Artist in Residence Kurashiki, Ohara)」に選出されるなど、デビュー当時から注目されている若手のアーティストです。

北城は、花や植物、水面などの物体にあたり反射する光を題材としています。  制作の方法は、まず紙に水彩やパステル・アクリル絵具でドローイングを何枚も描くことから始めます。意識、無意識に関わらず目に入り込んだ光は、時間の経過と共に様々な表情を見せるので、その情景をメモのように描き溜めていきます。一枚のドローイングから複数の作品が作られたり、何枚ものドローイングから一点の作品が生まれます。

その豊かな色彩からは、肌で感じる空気の重さや柔らかな日差しの匂いなど目に見えないモノが見えるようであり、優しさと荒々しさを混在させながら巧みにコントロールされる筆跡からは光の移ろいを感じさせます。

2014年には「せぴろまの夢レジデンス」招聘作家として喜多方で滞在制作を実施、当館で開催された大原美術館所蔵作品展「せぴろまの夢 ぴはピカソのピ展」の中で、その成果を展示しました。滞在中、絵画団体である「喜多方イーゼル会」との野外写生会で目にした雄国沼、裏磐梯、飯豊山などの風景は彼女に大きな印象を与えました。

本展覧会では2005年からの作品と、喜多方を題材にした新作を含めて、その変遷と新たな表現への挑戦を紹介します。